コンタクト・インプロビゼーション(Contact Improvisation)

NY留学のクロージングとして、コンタクト・インプロビゼーション(Contact Improvisation = CI)のオープンジャムに参加してきた。

ダンストレーニングを集中的に行う前にシンガポールで受けたCIと、7ケ月間のトレーニング後で受けるCIとでは、全く違った感動体験となった。

コンタクト・インプロビゼーションとは、アメリカのダンサー/振付家であるSteve Paxtonの創始によって世界中に広まった即興(インプロビゼーション)ダンスで、他者とのコンタクト(身体的接触や、相手との関係性)を保った状態で、言葉を使わない「動き」による対話の連続によって、即興で紡ぎ出すコミュニケーションダンスのこと。

動きによる対話では、体重のやりとりや、力の押し引き、ダイナミックなリフトアップ、そしてただ繊細に触れ合うことなどを通して、自分から発信するもの、他者から受信するものを、互いに感覚的に受け渡し合うという、面白いプロセスを体験できる。



今回は、マンハッタンSOHOにある、100 Grand Dance (Bill Young's Studio)で毎週開催されている、CIのジャムに参加。

NYのCIクラスやジャムでは、参加している方々誰もが、経験豊かなダンサーばかりで、とても学ぶところが大きい。いわゆるパフォーマンスダンスはやらない人でも、CIのダンサーとして長年の経験を積んでいる方も沢山いる。

様々な身体活動や実践法がある中で、私がとくに、CIが素晴らしいと感じる点は、「いかに自分の感覚に正直に、気づきを持ち続けられるか?」という観点において、それを「自身との対話」の中だけからではなく、「他者との対話」のつむぎ合いの中から、体験できるという点。

CIを踊っているとき、自分が自分の「センターにいる状態」と「オフセンターの状態」の2つの違いが、分かりやすいなぁと思う。センターにいると、他者とのコミュニケーションがとてもラクで楽しく、スムースなものとなり、オフセンターに入ると、コミュニケーションに少し不器用さが生まれる。

そんな2つのあいだを行き来し、さまよいながらも、どちらの状態であっても良いのだと、やさしく受け入れ合うことで、人間のありのままの姿を認めることが、ひたすら愛おしくなってくる。

全面的に自分を許し、ただ生まれたままの、無垢な姿に戻っていくような感覚。

そして、CIを深めて踊っていくと、自分のセンターと、相手のセンターが絶妙なタイミングでバランスし合ったとき、見事な動きが生まれる瞬間がある。物理の授業の、支点・力点・作用点、のことを思い出すと、まさにそれに当たるのだが、思いっきり力を使わなくても、バランスの支点さえ掴んで重心をおけば、自分より重い相手の体重をしっかり支えることができたり、また、相手にうまくサレンダーすることで、逆さまで軽々と持ち上げてもらうことができたりする。

そういったダイナミックな動きは、言葉を使わない直接的なコミュニケーションの中で、自分と相手を信頼し、相互に送受信し合っている「エネルギーの言葉」に敏感になることで、自然と生まれてくるように思う。

CIでは、人と身体に直接触れ合うため、ある側面では、自分のセクシュアリティに向き合うことにもつながる。触れ合いの中で、相手との間に親密感(Intimacy)を感じたり、あるときは心地良いと感じ、あるときは近過ぎて心地良くないと感じ、そんな色々な感覚が自然とわき起こってくる。

それらのプロセスひとつひとつが大切な気づきとなり、自分のセクシュアリティ(性エネルギー)を癒す、ということに取り組む良いきっかけにもなる。ここでいう性エネルギーとは、原始的なレベルでの生命エネルギーのことで、相手が男性か女性かは、あまり関係ない。

心地良くないものを自分の中に発見したら、それが何なのかを見て感じていくことを通して、安全かつ健全なセクシュアリティを取り戻し、人との関わりにおいて、もっと安全さや、安心感を与えていくことができるようになると思う。

すばらしいCIセッションの後では、この街をもうすぐ去るのが、少し名残惜しい気持ち。。
けれど、ここで得たものをしっかり消化して、前進あるのみです。




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